【ワシントン時事】米商務省が30日発表した7月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.5%上昇した。伸び率は前月から変わらず。市場予想(2.6%)を下回った。
価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は2.6%上昇で、伸び率は3カ月連続で同水準。いずれも連邦準備制度理事会(FRB)の物価目標である2%を引き続き上回ったものの、インフレは落ち着いている。
項目別では、耐久財などモノの価格は前年同月比横ばい。一方、人件費の影響が大きいサービス価格は3.7%上昇で、伸びの鈍化傾向が続いている。
米国のインフレ率はピークから大きく低下し、労働市場の過熱感は後退している。パウエルFRB議長は23日の講演で、金融緩和へと政策転換する「時が来た」と表明、9月の次回金融政策会合での利下げ決定を実質的に明言した。
7月の個人消費支出は前月比0.5%増と、伸び率は前月(0.3%)から拡大した。
◇米PCE物価指数
6月 7月
PCE 前月比 0.1 0.2
前年同月比 2.5 2.5
PCEコア 前月比 0.2 0.2
前年同月比 2.6 2.6
個人消費・所得
個人所得 前月比 0.2 0.3
可処分所得 前月比 0.1 0.3
個人消費 前月比 0.3 0.5
モノ 前月比 0.1 0.7
耐久財 前月比 ▲0.1 1.4
非耐久財 前月比 0.2 0.4
サービス 前月比 0.4 0.4
貯蓄率 3.1 2.9
(注)単位%、貯蓄率を除き上昇/増加、▲は低下/減少