アイリスオーヤマ(宮城県)は7月9日、佐賀県鳥栖市の鳥栖工場において、パックごはんと炭酸水の本格生産を開始した。
同工場は西日本における食品の生産・物流拠点であり、ASEANを含むアジア圏への輸出拠点ともなる。
同社は2013年に東日本大震災の被災地支援と農業復興を目的に精米事業に参入し、2015年にパックごはん事業を開始、2017年には角田工場(宮城県角田市)で自社生産を開始した。2021年には飲料水事業に参入し、2023年には富士裾野工場(静岡県裾野市)を稼働させるなど、食品の生産・供給体制を強化している。
今回の鳥栖工場の生産開始により、パックごはんは角田工場と合わせて2工場で計6ライン体制となり、日産約120万食の生産能力を持つ。今後、鳥栖工場での2ライン目稼働により、日産約140万食に増強する予定である。
炭酸水は国内3工場で計4ライン体制を敷き、1時間当たりの生産能力は約9万4,000本に達し、さらに増設を計画している。
日本の食品輸出額は増加傾向にあり、パックごはんは2023年には2019年比で約2倍の10億円、清涼飲料水は2013年比で約4.3倍の536.7億円と伸びている。農林水産省の「産地生産基盤パワーアップ事業」も活用し、鳥栖工場はASEANを含むアジア圏への輸出拠点と位置づけ、2030年のパックごはんと飲料水の輸出額はそれぞれ、30億円と50億円を見込んでいる。
また、鳥栖工場では、新ブランド「CRYSTAL SPARK(クリスタルスパーク)」の炭酸水を国内工場で初めて生産する。
同社は今後、国内7拠点の食品工場の生産設備増設により生産体制を強化し、2030年には食品事業で1,000億円、うち輸出額100億円の売上を目指すとしている。
■工場概要
住所 :佐賀県鳥栖市西新町1375-26
竣工 :1990年4月 (国内3番目)
品目 :プラスチック製品・LED照明、精米・パックごはん・飲料水
敷地面積:159,751㎡
延床面積:112,753㎡
自動倉庫パレット数:64,816枚