政府が経済対策として行う1人当たり4万円の定額減税がスタートした。これに合わせ、流通大手イオンは3日、減税額に合わせた税抜き4万円均一などのセールを開始。家具や家電を最大4割引きとすることで消費を呼び込む狙い。だが、円安などを背景に物価上昇が続き、節約志向は強まっている。減税が消費拡大につながるかは見通せない。
均一セールは、イオンやイオンスタイルの約200店舗で30日まで実施。対象となったベッドやテレビなどが4万円で店舗の各売り場に並んだ。対象品目は給与支給日が集中する月末に向けて順次増やす。他の店舗でも野菜などの安売りを行う。
今月始まった定額減税は、1人当たり所得税3万円と住民税1万円の計4万円が減税されるが、制度が複雑で恩恵を感じにくいと指摘される。イオンは、セールの中身を分かりやすくすることで購入意欲を喚起したい考えだ。
ただ、イオンスタイル品川シーサイド(東京・品川)に買い物に訪れた都内在住の60代女性は「セールはうれしいが、4万円は高額。身近なものがもっと安くなるといい」と本音を漏らす。50代の男性会社員は「商品だけでなく電気代なども高騰している。減税でどれほどのインパクトがあるのか」と疑問を呈した。