メニュー

商社、5社が減益=資源価格下落で―24年3月期

都内のビル群
(i-stock/segawa7)

 総合商社7社の2024年3月期連結決算(国際会計基準)が8日、出そろった。資源分野での市況悪化が響き、過去最高益が相次いだ前期に比べ5社が減益となった。ただ、円安で海外収益が押し上げられた効果もあり、三井物産が2年連続で1兆円の利益を計上するなど各社の利益水準は高い。

 三井物産の純利益は前期比5.9%減、三菱商事は18.4%減で、ともに原料炭価格の下落が主因。住友商事はマダガスカルのニッケル事業で損失計上するなどし大幅減益となった。

 一方、自動車関連事業が好調な豊田通商は過去最高益を更新。伊藤忠商事は食料や機械など非資源が堅調で前期を上回った。 

 25年3月期は5社が増益を予想する。資源価格は低調に推移すると見込むものの、各社は投資先の入れ替えにより非資源分野で収益力の底上げを進める。    

◇大手商社の連結純利益実績と予想
       2024年3月期       25年3月期予想
三井物産  10,636(▲ 5.9)  9,000(▲15.4)
三菱商事   9,640(▲18.4)  9,500(▲ 1.5)
伊藤忠商事  8,017(  0.2)  8,800(  9.8)
丸紅     4,714(▲13.2)  4,800(  1.8)
住友商事   3,863(▲31.7)  5,300( 37.2)
豊田通商   3,314( 16.6)  3,500(  5.6)
双日     1,007(▲ 9.4)  1,100(  9.2)

(注)単位億円。カッコ内は前期比増減率%、▲はマイナス