【ワシントン時事】米労働省が11日発表した2023年12月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.4%上昇した。伸び率は前月(3.1%)から拡大し、4カ月ぶりに加速した。市場予想(3.2%)も上回り、物価安定の回復は道半ばである状況が示された。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は3.9%上昇と、前月(4.0%上昇)から小幅鈍化にとどまり、インフレ圧力の根強さをうかがわせた。
項目別では、ガソリンが1.9%低下、中古車・トラックは1.3%低下。一方、サービス価格(エネルギー関連を除く)は5.3%上昇と、引き続き高い伸びだった。
米国のインフレ率は、22年半ばのピークから大きく低下した。ただ、堅調な労働市場を背景に、賃金の伸びがなおも高水準にある。人件費がコストの大部分を占めるサービス業では価格上昇が続いている。
米連邦準備制度理事会(FRB)は最近のインフレ鈍化や、景気の減速見通しを踏まえ、23年12月の会合で政策金利を3会合連続で据え置いた。同時に公表した金利見通しでは、24年内の利下げ開始を視野に入れているが、インフレの動向を踏まえて慎重に政策判断する方針だ。
◇12月の米CPI
概要
消費者物価指数 0.3(前年同月比3.4)
コア指数 0.3(前年同月比3.9)
エネルギー 0.4
燃料油 ▲5.5
ガソリン 0.2
衣料 0.1
新車 0.3
中古車 0.5
帰属家賃 0.5
航空運賃 1.0
(注)前月比%上昇、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前