【北京時事】中国税関総署が7日発表した10月の貿易統計によると、輸入は前年同月比3.0%増と、今年2月以来8カ月ぶりにプラスに転じた。景気対策に伴う内需拡大を反映した。輸出は6.4%減と、6カ月連続のマイナスだった。
輸入は、市場ではマイナスとの予想が大勢だった。不動産大手の相次ぐ経営危機が経済に響いたことで、中国政府は今夏以降、不動産購入を後押しするなど景気対策を強化。国内消費が増えたことが輸入品の需要拡大につながったとみられる。 国別では、ロシアからが9%増と好調に推移。日本からは8%減だった。
一方、輸出の減少幅は前月(6.2%)から拡大した。主要輸出先のドイツの景気低迷や、中東情勢の緊迫化を受け、世界経済の先行き不透明感が強まったことが要因。
国別では、ドイツ向けが18%の大幅減。東南アジア諸国連合(ASEAN)、日本向けもそれぞれ15%、13%落ち込んだ。 この結果、輸出額から輸入額を差し引いた貿易黒字は565億3000万ドル(約8兆5000億円)に縮小した。