【ワシントン時事】米商務省が27日発表した9月の個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比3.4%上昇した。伸び率は3カ月連続で変わらなかった。
価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は3.7%上昇と、伸び率は前月(3.8%上昇)からわずかに縮小した。いずれの上昇率も、米連邦準備制度理事会(FRB)の物価目標の2%を引き続き上回り、インフレ圧力の根強さを示した。
項目別では、エネルギー価格が横ばい。耐久財は2.3%低下。一方、サービス価格は4.7%上昇と、高水準にとどまった。人件費がコストの多くを占めるサービス分野の価格は、人手不足を背景とする賃金上昇が押し上げ要因とみられる。
FRBは「インフレ見通しには依然として上振れリスクがある」(高官)と警戒。ただ、長期金利上昇や全米自動車労組スト、イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突などを巡る先行き不透明感が大きく、10月31日と11月1日の政策会合では金利を年5.25~5.50%で据え置き、様子見を続けるとの観測が強まっている。
9月の個人消費支出は前月比0.7%増と、前月から伸びが加速した。
◇米PCE物価指数
8月 9月
PCE 前月比 0.4 0.4
前年同月比 3.4 3.4
PCEコア 前月比 0.1 0.3
前年同月比 3.8 3.7
個人消費・所得
個人所得 前月比 0.4 0.3
可処分所得 前月比 0.3 0.3
個人消費 前月比 0.4 0.7
モノ 前月比 0.7 0.7
耐久財 前月比 ▲0.3 1.0
非耐久財 前月比 1.3 0.5
サービス 前月比 0.3 0.8
貯蓄率 4.0 3.4
(注)単位%、貯蓄率を除き上昇/増加、▲は低下/減少