総務省が29日発表した9月の東京都区部消費者物価指数(中旬速報値、2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が105.2と、前年同月比2.5%上昇した。25カ月連続のプラスとなったが、エネルギーのマイナス幅拡大や食料の上げ幅縮小を背景に伸び率は3カ月連続で鈍化した。
エネルギー価格は18.7%低下と、前月の15.9%からマイナス幅が拡大。政府による電気・ガス代の負担軽減策の効果が引き続き表れ、下げ幅は電気代が25.7%、都市ガス代が17.1%とそれぞれ前月を上回った。
一方、生鮮食品を除く食料は、原材料価格の高騰などで8.5%上昇と高い伸びが続いたが、前月の8.9%からは伸び率が縮小した。鳥インフルエンザの影響が一服したことで、鶏卵の上昇幅が鈍化。一部自治体による学校給食無償化の動きで、給食費の低下幅が拡大したことも一因だ。
生活実感に近い生鮮食品を含む総合指数は2.8%、生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は3.8%それぞれ伸びた。 東京都区部の指数は10月20日に公表される全国消費者物価指数の先行指標となる。