【北京時事】中国税関総署が8日発表した7月の貿易統計によると、輸出は前年同月比14.5%の大幅減だった。減少率は最初に新型コロナウイルスの感染が広がった2020年2月以来3年5カ月ぶりの大きさ。輸入も12.4%減と大きく落ち込んだ。
輸出と輸入がともに前年割れとなるのは3カ月連続。コロナ感染の流行で経済活動が混乱した今年1月以来半年ぶりに、それぞれ2桁減となった。いずれも市場予想を下回っており、厳しい経済の実態が示された。
中国では若年層の失業率が高止まりしている上、不動産不況も長期化。世界経済の減速を受けて外需も低迷したままだ。中国共産党は7月下旬に開かれた重要会議で「景気回復は波乱含みだ」と先行きに懸念を示していた。
国別でみると、対日本は輸出が18%減、輸入が15%減と、ともに2桁減。対米輸出も23%の大幅減だった。対ロ貿易は輸出が52%増と好調だったものの、輸入が8%減に転じた。英調査会社オックスフォード・エコノミクスはリポートで、世界経済の冷え込みを背景に、中国の貿易統計についても「失望させる内容が今後続く可能性がある」と指摘した。
1~7月の輸出は前年同期比5.0%減、輸入は7.6%減だった。