【ワシントン時事】米労働省が10日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比4.9%上昇した。伸びは昨年6月をピークに10カ月連続で鈍化し、2021年4月以来2年ぶりの低水準。市場予想(5.0%)も下回り、インフレ抑制を目指す連邦準備制度理事会(FRB)が利上げの一時停止に踏み切るかが注目される。
項目別では、ガソリンが12.2%の大幅低下。中古車・トラックも6.6%下がった。食品は7.7%上昇と、8カ月連続で伸びが縮小した。
一方、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数の上昇率は5.5%と、3月の5.6%を下回ったものの、高水準にとどまった。コロナ禍による離職者の増加を受けた人手不足が解消されず、賃金の大幅上昇を要因とするサービス価格の値上がりが顕著なままで、インフレ圧力は続いている。
米国では、中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)などの経営破綻をきっかけとした信用不安を背景に、景気の悪化が懸念されている。FRBは今月3日に政策金利を0.25%引き上げたが、次回6月の政策会合では利上げを停止する可能性が高いとみられている。
◇4月の米消費者物価指数概要
消費者物価指数 0.4(前年同月比4.9)
コア指数 0.4(前年同月比5.5)
エネルギー 0.6
燃料油 ▲4.5
ガソリン 3.0
衣料 0.3
新車 ▲0.2
中古車 4.4
帰属家賃 0.5
航空運賃 ▲2.6
(注)前月比%上昇、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前