【ワシントン時事】米商務省が23日発表した11月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比5.5%上昇し、伸び率は前月(6.1%=改定)を下回った。2021年10月以来、約1年ぶりの低水準となった。減速は2カ月連続。
ただ、連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%をなおも大幅に上回る。FRBは利上げを継続する方針を堅持している。
物価指数を項目別に見ると、モノが6.1%上昇と、5カ月連続で鈍化。賃金上昇の影響を受けやすいサービス部門も5.2%上昇と、4カ月ぶりに伸びが減速した。
価格の変動が激しいエネルギー・食品を除いたコア指数は4.7%上昇と、伸びは2カ月連続で縮小した。
FRBは約40年ぶりの高インフレを封じ込めるため、3月以降急ピッチで利上げを進めた。しかし、物価上昇圧力は根強く、パウエル議長は「インフレを目標の2%に戻すため、十分に景気抑制的な金融政策を行う」と明言。利上げを続けて景気を冷まし、インフレ緩和に努める意向だ。
11月の個人消費支出は前月比0.1%増と、前月(0.9%増)から大きく鈍化した。
◇米PCE物価指数
10月 11月
PCE 前月比 0.4 0.1
前年同月比 6.1 5.5
PCEコア 前月比 0.3 0.2
前年同月比 5.0 4.7
個人消費・所得
個人所得 前月比 0.7 0.4
可処分所得 前月比 0.7 0.4
個人消費 前月比 0.9 0.1
モノ 前月比 1.2 ▲1.0
耐久財 前月比 1.6 ▲2.3
非耐久財 前月比 1.0 ▲0.2
サービス 前月比 0.7 0.7
貯蓄率 2.2 2.4
(注)単位%、貯蓄率を除き上昇/増加、▲は低下/減少