【北京時事】中国税関総署が7日発表した11月の貿易統計によると、輸出は前年同月比8.7%減の2961億ドル(約41兆円)だった。マイナス幅は前月の0.3%から広がり、2020年2月以来2年9カ月ぶりの大きさとなった。新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を背景にしたサプライチェーン(供給網)の混乱や生産の停止が響いた。
輸入は10.6%減の2263億ドル。輸出同様、前月(0.7%減)から大幅に悪化した。経済の先行き懸念から個人消費が冷え込み、内需が低迷したためだ。輸出入がともに前年割れとなるのは2カ月連続。輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は698億ドルと前月から減少した。
中国では11月、コロナの感染者数が急増。厳格なコロナ対策の影響で、ホンダなど日系企業を含む多くの工場が生産停止を余儀なくされた。経済活動が混乱する中、市民の不満も高まり、北京市や上海市などで異例の抗議活動も起きた。
国別の貿易では、ウクライナへ侵攻したロシアへの輸出が約18%増、輸入が約29%増と好調だった。対日輸出は約6%減、輸入は約24%減だった。