【ニューヨーク時事】米国で年末商戦が本格化している。IT大手アドビによると、感謝祭の祝日だった24日のインターネット通販の売上高は約53億ドル(約7400億円)と、前年を上回る好調な出足だった。一方、インフレでガソリンや食料品など生活必需品が値上がりする中、消費者は節約志向を強めており、売り上げの伸び悩みを警戒する声も根強い。
米国では、感謝祭翌日の「ブラックフライデー」(今年は25日)が年末商戦の幕開けとされる。全米小売業協会(NRF)は、飲食店などを除く11~12月の小売売上高が前年同期比6~8%増加すると予測。前年からは鈍化するものの、堅調な伸びを見込んだ。
マシュー・シェイ会長は「(インフレをはじめ)困難に直面しているが、多くの家庭は貯蓄やクレジットカードなどを利用して消費している」と自信を示す。
ただ、小売店では消費者の買い控えなどが響いて在庫が急増。例年以上の値引き販売を強いられるケースも見られ、採算悪化が懸念されている。
また、歴史的な物価高を受け、消費行動に変化も生じている。ディスカウント店や中古品を扱う店など「低価格店への需要が増えている様子がうかがえる」(シンクタンク研究員)という。