日本百貨店協会が発表した9月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比20.2%増となり、7カ月連続で前年実績を上回った。前年の緊急事態宣言などによる反動増に加え、高額品が増勢を維持。衣料品・服飾雑貨の秋冬商材の動きもよく、回復基調が続いている。
物産展など各種イベントも好調で、集客と売上に寄与した。コロナ禍前と比べると、消費増税前の駆け込み需要があった2019年9月比では23.6%減だったが、18年9月比では6.5%減だった。
地区別では、全地区が前年比プラスとなった。10大都市は24.6%増で12カ月連続のプラス、10大都市を除く地方は8.5%増と6カ月連続のプラスだった。
商品別では、衣料品が19.8%増、化粧品などの雑貨が20.8%増、食料品が15.7%増となるなど、主要5品目全てで前年実績をクリアした。雑貨のうち美術・宝飾・貴金属は26.3%増と過去最長となる20カ月連続で前年実績を上回った。
衣料品と身のまわり品では、気温低下や外出・旅行ニーズの高まりで、コートやジャケット、靴、旅行かばんなどの動きがよかった。食料品では、手土産・ギフト需要を背景に和洋菓子が高い伸びを維持したほか、総菜も16.7%増と13カ月連続のプラスとなった。一方、生鮮食品は台風や円安の影響から苦戦し、0.5%のマイナスだった。