百貨店大手の「そごう・西武」と「小田急百貨店」「松屋」が消費税の免税要件を満たさずに顧客に販売したケースが確認されたとして、東京国税局が3社に消費税計約1億1000万円を追徴課税したことが22日、関係者への取材で分かった。
消費税の免税販売は来日から6カ月未満の外国人客が商品を国外に持ち出して消費する場合などを要件としている。客が日本国内で消費したり、転売目的で購入したりする場合は認められていない。東京国税局は6月、東京都内の百貨店各社に対し、適正な免税販売を求める指導をした。
関係者などによると、3社では来日から6カ月以上経過した外国人に商品を販売したり、購入誓約書の書類が保管されていなかったりするなど、要件を満たさない消費税の免税販売が行われていた。一部の百貨店では、同一人物が転売目的で、商品の大量購入を繰り返している可能性がある取引も見つかったという。
東京国税局はそごう・西武に対して2021年2月期までの2年間で計約1億円を追徴課税したほか、小田急百貨店には約400万円、松屋にも数百万円を追徴した。
そごう・西武は取材に対し、「当局の指摘を真摯(しんし)に受け止め、より厳格な免税対応に努める」とコメント。小田急百貨店は「より一層正確なオペレーションに努める」と回答した。松屋も「より一層適正な免税販売を進めていく」としている。3社は修正申告を済ませ、既に納税したという。