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【仏カジノ】 ベトナムからの撤退を表明、アジア市場はタイだけに

 フランスの大手小売業カジノは12月15日、ベトナム市場からの撤退を表明した。本国フランスや南米など中核市場に経営資源を集中すると共に、財務の改善を図る。

 

 カジノは1999年にベトナムに進出、ハイパーマーケット業態の「ビッグC」32店舗、コンビニエンスストア「Cエクスプレス」10店舗を展開しており、同国の小売市場では第2位、外資系としては韓国ロッテ・ショッピングや日本のイオンを抑えて最大手となっている。

 

 カジノは98年にタイの現地小売業、ビッグCに出資してアジアに初進出し、現在はビッグCの株式の過半数を所有している。ベトナムからの撤退で、アジアで事業展開するのはタイのみとなる。

 

 同社の2014年度の売上高は485億ユーロ(約7兆円、1ユーロ=145円換算)で、ブラジルやコロンビアでは第1位、タイでは第2位の小売業。今回は、ベトナム事業撤退のほか、タイとコロンビアで所有する店舗不動産など最大で20億ユーロの資産を売却する。

 

 外資ではドイツのメトロが2014年にベトナムからの撤退を発表した。ベトナムの個人消費は拡大しているものの、出店規制が厳しく思うように事業規模を拡大できないことなどが背景にあるとみられる。