メニュー

米ターゲット、5〜7月期は87%の営業減益 在庫処分で粗利益率悪化

ターゲットの外観
衣料品の在庫を多めに確保していたことが、裏目に出た

 米ディスカウントストア大手のターゲットが発表した2022年5〜7月期決算は、営業利益が前年同期比87.0%減の3億2100万ドル(約436億円)と大幅な減益となった。在庫圧縮のため衣料品を中心に値下げ処分を行ったことで、粗利益率が悪化した。

 売上高は3.3%増の256億ドルだった。既存店売上高は2.6%増と堅調で、8.9%増だった前年同期をさらに上回った。店頭出荷型のEコマースを通じた食品や日用雑貨の販売が好調だった。既存店ベースでの店頭売上高は1.3%増、Eコマース売上高は9.0%増だった。

 一方、値下げ処分を幅広く行った結果、前年同期に30.4%だった粗利益率は21.5%に低下した。コロナ禍で物流網の混乱などから十分な商品調達ができない状態が続いていたため、今年の春夏シーズンには在庫を多めに抱えていたが、インフレ進行で消費者が生活必需品以外の支出を絞ったため、裏目に出た。

 競合のウォルマートも値下げ処分で粗利益率が低下したものの、下落幅は1.3ポイントに留まった。ウォルマートに比べて、ターゲットは衣料品の売上構成比が高いことから、影響が大きかった。

 在庫処分が一段落したことから、下期(22年8月〜23年1月)は利益率が回復しそうだ。5〜7月期に1.2%だった営業利益率は、下期は6%前後に上昇すると同社では見込んでいる。

 なお、ターゲットは化粧品専門店チェーン「アルタビューティ(Ulta Beauty)」と提携した店内ショップの展開を進めており、7月末時点で80店舗を開設した。化粧品の販売は好調に推移しており、23年1月期中に250店舗以上に増やす計画だ。