財務省が8日発表した4月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は前年同月比55.6%減の5011億円の黒字だった。黒字は3カ月連続だが、資源価格の高騰や円安進行により、輸入額が比較可能な1996年以降で過去最大を更新。貿易収支が前年同月の黒字から赤字に転じ、経常収支の黒字額は大幅に縮小した。
輸入は32.8%増の8兆7017億円。原油や液化天然ガス(LNG)、石炭が膨らんだ。一方、輸出は鉄鋼や自動車が伸び、17.2%増の8兆133億円。この結果、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6884億円の赤字(前年同月は2822億円の黒字)となった。
配当や利子収入などを示す第1次所得収支は18.2%増の2兆3706億円の黒字。日本の商社が海外の資源関係の子会社から受け取る配当が増えた。
輸送や旅行などのサービス収支は9653億円の赤字(同9715億円の赤字)だった。