矢野経済研究所は４月18日、2010年度の電子書籍の市場規模は前年比6.3％増の670億円だったとの推計を発表した。11年度は7.9％増の723億円を見込む。
日本では2010年５月にアップルのタブレット端末「iPad」が発売されて電子書籍市場への注目が高まったが、現段階では総体的にコンテンツが不足しており、携帯電話向けのコミックが市場の大半を占めている状況。価格的なメリットもはっきりと打ち出されていないため、期待されたほどの急拡大とはなっていない。
ただ、今年中には米アマゾンが日本で電子書籍市場に本格進出することが予定されており、今後２～３年で市場が大きく伸びることが見込まれる。同研究所では14年度の市場規模は前年比10.6％増の1197億円、15年度は25.3％増の1500億円に達すると予測している。