小売業世界2位のカルフール(フランス)が発表した2011年12月期決算は、新興国市場が好調で売上高は前期比0.9%増の813億ユーロ(約8兆9000億円)と微増を維持したものの、本国フランスのハイパーマーケット業態が不振で営業利益は19.2%減の22億ドル(約2400億円)だった。
売上高の約8割を占める欧州市場では国家債務危機の影響などもあってイタリア、ギリシャなどが軒並み苦戦、4.3%の減収となった。一方、アジアは5.6%増、南米が8.4%増と新興国市場が全体の売上げを支えた。
フランス国内ではスーパーマーケット業態の「カルフール・マーケット」、コンビニエンスストア業態の「カルフール・エクスプレス」は好調なものの、主力業態であるハイパーマーケットの不振が続く。レイアウトを大幅に見直し、顧客サービスを強化するなどした新タイプのハイパーマーケット店「カルフール・プラネット」を全体の10%程度にまで増やしたがこれも不発で、12年度は「プラネット」への業態転換を11店舗にとどめる。