帝国データバンクの調べによると2011年1~11月の外食産業の倒産(負債1000万円以上、法的整理のみ)は648件に達し、残り1ヵ月の時点ですでに年間最多件数を更新した。比較可能な2000年以降でこれまで最多だった09年の646件を上回った。外食を除く全産業の倒産件数が前年同期比2.7%減で推移しているなかで、外食産業の増加が目立っている。
ただ、負債総額は約380億円で、「このままでペースで推移すれば、年間最小にとどまる可能性が高い」(帝国データバンク)。不況で零細店の倒産が増えていることが要因だ。
業態別にみると、震災の影響で宴会や接待が減っていることから「居酒屋」が201件と突出して多く、全体の約3分の1を占める。以下、「一般飲食店、食堂」(125件、構成比19.3%)、「中華料理店」(87件、13.4%)と続いた。
11年は小麦粉や食用油など原材料価格が値上げされたが、原価アップ分をメニュー価格に転嫁できず苦しんでいる企業も多いようだ。