食品スーパーの丸和(北九州市)は6月30日、親会社で同業のユアーズ(広島県海田町)と私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決)の手続きを申請、第三者機関に受理されたと発表した。今後は取引先金融機関に債務の株式化などの金融支援を要請、合意を得た後、事業再生計画に着手する。山口県や長崎県などドミナントエリア外の店舗を中心に不採算店の閉鎖を進めるとともに、本部経費など間接コスト圧縮のため来年5月をめどにユアーズを存続会社として合併する。これにより、丸和の上場は廃止となる見込み。
丸和は福岡県内を中心に食品スーパー約50店を展開しているが、2010年1月期連結決算で2期連続の営業赤字を計上、11年1月期第1四半期(2~4月)でも4億円の最終赤字となるなど危機的な状況にあり、親会社のユアーズ主導で再建に乗り出すことになった。ただ、ユアーズも09年9月期で売上高400億円、営業利益3億円と経営体力に乏しく、再建のゆくえは不透明だ。