イオンの2011年2月期第1四半期(10年3~5月)の連結業績は、営業収益(売上高と不動産収入などの合計)は前年同期比2.5%減の1兆2145億円、売上総利益率の悪化などで営業総利益も4.2%減の4179億円と落ち込んだものの、販売管理費を312億円削減した効果で営業利益は2.5倍の217億円に増えた。米衣料品専門店タルボットの株式売却益181億円を特別利益に計上したことで、純損益は前年同期の24億円の赤字から192億円の黒字に転換した。
事業セグメント別に業績を見てみると、総合スーパー、食品スーパー、コンビニエンスストアなどの総合小売事業と専門店事業の収益改善が全体の利益を押し上げたことがわかる。営業収益は総合小売事業が1.2%減の9912億円、専門店事業が7.9%減の1232億円と共に減収ながら、営業損益は総合小売が66億円の赤字から28億円の黒字に、専門店は36億円の赤字が13億円の赤字に縮小し、両事業で118億円の営業損益改善が見られた。ディベロッパー事業とサービス事業(クレジットカード、ビルメンテナンスなど)の営業利益は共にほぼ前年並みだった。
利益が大幅に改善したとはいえ、そのほとんどは経費削減効果であり、イオンにとっては小売事業の収益力アップが依然大きな課題として残っている。
11年2月期通期の業績予想は従来通りで、営業収益5兆600億円超(0.1%超)、営業利益1450億~1550億円(11.4~19.1%)、純利益320億~380億円(2.8~22.1%増)の見通し。