食品スーパー大手のいなげや(東京都立川市)は、EDLP(常時低価格)をコンセプトとする小型の食品ディスカウント業態「ina(いーな)21」の出店を加速させる。「ina21」は今年度上期(4~9月)に1店舗を追加し、現在16店舗となっているが、下期は一気に6店舗を開設し、年度末の来年3月には22店舗にまで増やす。
「ina21」では取り扱い商品を絞り込んで発注・陳列作業を効率化したり、チラシの発行を減らしたりしてコストを削減、特売による集客に頼らないEDLPを基本としている。一部店舗では食品卸大手の菱食と協力してVMI(ベンダー・マネジメント・インベントリー)と呼ばれる店頭在庫の自動補充の仕組みも導入している。
いなげやの今年度上期決算はコスト削減によって営業利益を伸ばしたものの、売上高は4%の減収。主力の食品スーパー事業は上期としては3期連続の売上げ減、今上期の既存店は5.8%の減収と販売不振が続く。「ina21」の店舗網拡大で売上げアップにつなげたい考えだ。