ローソンは10月28日、音楽・映像ソフト販売大手のHMVジャパン(東京都港区)を買収すると発表した。同社株を100%保有する大和証券系の投資会社から18億円で全株を譲り受ける。株式の取得は12月1日の予定。
HMVは店舗販売からインターネット販売へとチャネルシフトを進めており、ローソンのネットショッピングや店頭マルチメディア端末を通じたエンターテインメント関連商品の販売と連携を図る。また、子会社のローソンエンターメディアを通じたチケット販売に弾みをつける効果も期待できる。
HMVは音楽CD販売で急成長したが、近年はネットを通じての音楽ダウンロードが急増し、店舗販売の業績が低迷。旗艦店の渋谷店を閉鎖するなどリストラを進めていた。昨年3月、映像・音楽ソフトレンタルの「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブがHMVを買収することで基本合意したが、その後、断念した経緯がある。
大手小売業ではセブン&アイ・ホールディングスも今年3月、タワーレコードに20%強を出資、ネットを通じた音楽・映像ソフト販売や、昨年資本提携したぴあとのチケット販売での連携を図ろうとしている。
HMVの2010年4月期の売上高は309億円、営業損益は7億円の赤字となっている。