三越伊勢丹ホールディングスは、伊勢丹吉祥寺店(東京都武蔵野市)を来年3月上旬をめどに閉鎖することを決めた。同店は1971年開業で売場面積は約2万平方メートル、2009年3月期の売上高は174億円(前期比6.5%減)だった。同店の客の7割は伊勢丹新宿本店も利用しており、主力のファッション衣料の購入は新宿に流出する傾向が強かった。このため、近年は売り上げの減少が続き、営業赤字に陥っていた。家賃改定交渉でもめたことも閉鎖を決断するきっかけとなった。
三越と伊勢丹が経営統合する前の06年5月には、三越吉祥寺店も閉鎖しており、吉祥寺駅周辺に残る百貨店は東急吉祥寺店のみとなった。
三越伊勢丹HDは08年4月の経営統合をきっかけに不採算店舗のリストラを加速させており、三越は今年、鹿児島店、池袋店(東京都)、イオンの郊外型ショッピングセンターに出店していた武蔵村山店(東京都)、名取店(宮城県)など6店舗を閉鎖している。