NECは3月7日、市販の携帯電話内蔵のカメラで果物を撮影することで、産地などを識別できる技術を開発したと発表した。
生産者が出荷前に撮影した画像を登録、消費者や販売業者が撮影した写真と照合することで個々の果物を識別する。指紋・顔認証技術を応用することで実現した。技術検証のため、約1800個のメロンを撮影した写真を用いて実験を行ったところ、間違える確率は0.4%以下だったという。
農産物の産地偽装の防止や栽培履歴情報の確認のため、個々の農産物にラベルや電子タグをつけて管理する方法もあるが、取り付けにコストがかかる上、ラベルの貼り替えなどによる偽装リスクが避けられない。今回、NECが開発した技術はこれらの課題を解決し、低コストで確度の高いトレーサビリティ(農産物履歴の追跡可能性)を実現できる可能性がある。
NECでは、2~3年後の実用化を目指す。