【シリコンバレー時事】米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は12日、ワシントンで開かれたプライバシー保護に関するイベントで講演した。クック氏は各国で進む反トラスト法(独占禁止法)改正の議論について「プライバシーとセキュリティーを弱体化させることを深く懸念している」と表明した。
欧米の政府や議会は、アップルや米グーグルが、スマートフォンアプリを自社が運営する「アプリストア」経由での配信に限定、アプリ開発企業に最大30%の手数料を課していることを独占と批判。法改正で他社もアプリ配信サービスに参入できるようにすることを検討している。
アップルは昨年4月、アプリ開発企業によるスマホの利用状況追跡について、事前に利用者の同意を得る仕組みを導入。クック氏は、他社の参入が認められればこうした仕組みが及ばなくなり、「再び利用者の意思に反して追跡が可能になる」と主張した。