米アドビは3月16日、同社主催のイベント「アドビ・サミット」で、2022年に米国のオンライン消費額が初めて1兆ドル(約119兆円)を超えるとの予想を発表した。このうち食料品は850億ドルを超えると予想する。
同社の調べによると、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの2年間(2020年3月〜22年2月)で米国の消費者はオンラインで1兆7000億ドルを消費した。21年のオンライン消費は前年比8.9%増の8850億ドルと堅調に推移した。
米国ではインフレ基調が顕著となっているが、22年1〜2月の2カ月間のオンライン消費は前年同期比で13.8%増の1380億ドルに達した。このうち38億ドルは価格上昇によるものだとアドビでは推計している。インフレ下でもオンライン消費需要は衰えていないようだ。
パンデミックの影響で20年に前年比103%の大幅増となった食料品のオンライン消費は、21年は7.2%増の792億ドルだった。これはEコマース全体の8.9%に相当し、19年の6.3%に比べて上昇しているが、20年の9.1%からは若干低下した。
Eコマースで最大のカテゴリーは家電(エレクトロニクス)で、21年のオンライン消費額は8%増の1650億ドルと、Eコマース全体の18.6%に相当する。20年の18.8%、19年の21%から若干減少した。
また、アパレルの21年のオンライン消費額は8%増の1262億ドルだった。Eコマース全体に占める割合は14.3%で、19年の18.5%から低下、20年(14.2%)と同水準だった。パンデミックで在宅時間が増えたことで、アパレル消費の伸び悩みにつながっているようだ。