イオン九州は8月19日、デリバリーサービスWolt(ウォルト)との提携を開始したと発表した。この提携によって、アプリで注文してから30分程度で食料品や日用品を、自宅や指定した場所で受け取ることができるようになる。
6月と8月初旬の福岡県4店舗に続いて矢継ぎ早の導入
すでにイオン九州では、この6月と8月初旬に福岡県の4店舗でWoltを導入している。8月25日よりさらにイオン鹿児島鴨池店とイオン鹿児島中央店(いずれも鹿児島県鹿児島市)の2店舗でも導入し、これで合計6店舗となる。さらに10月からは、イオンモール鹿児島(同)でのサービスも開始する予定だ。Woltとの提携の趣旨をイオン九州は、「デジタルを活用し、新しい生活様式に対応した非接触で、より安全・安心なお買物体験を提供するため」としている。今後、順次デリバリーサービス導入店舗を増やし、サービスエリアを拡大していく予定だという。
配達受付時間は11:00~20:00で、食料品と日用品が配達対象になる。ユーザーはWoltのアプリから注文し、注文時にクレジットカードで決済する。配送料はWoltの共通価格で、店舗から1.5km 以内が99円、1.5~2kmが199円、2~2.5kmが299円、2.5~4kmが399円となる。
Woltは問い合わせに1分以内に返信する「神対応」が評判
Woltは北欧フィンランドで2014年に生まれたデリバリーサービスで、現在は23か国、180の都市でサービスを提供している。日本でのサービス開始は2020年3月で、19都道府県33都市でサービスを展開している。競合サービスであるUber Eats、出前館より後発で、日本での知名度でも2社に及ばないものの、サービスのクオリティと顧客満足度ではナンバー1という見方もある。App Store や Google Play では、「フードデリバリーアプリ最高評価」を得ている(8月20日現在)。
この評価を支えているのが、アプリのチャットサービスに寄せられるユーザーからの問い合わせやクレームに「1分以内に返信する」というレスポンスの早さだ。デリバリーサービスの配達員の交通マナーの悪さが世評に上ることも多い昨今、Woltは配達パートナーへの交通安全ルールの説明会と適性テストを行なったうえで登録している。さらに、2021年3月からは、背番号入りの配達バッグを導入した。Woltの公式サイトには次のようなコメントがある。「成長の背後には、多くの教訓と間違いがあり、それが私たちを今日の会社に形作っています」。
イオン九州はサービス開始キャンペーンでユーザー拡大を狙う
イオン九州はこの度のWoltとの提携にあたって、ユーザー拡大のためにサービス開始キャンペーンを行なう。期間は8月25日~9月7日で、既提携の6店舗すべてが対象になる。キャンペーンの特典には「2,000円以上の買い物で配送料無料」「1,500円の割引コードをプレゼント」などがある。
デリバリーサービスといえば、レストラン・飲食店のメニュー宅配が先ずイメージされるが、スーパーマーケットでの導入は今後深刻化する高齢化社会での買物難民問題のソリューションとして期待される。需要はコロナ禍の非接触サービスのニーズに留まらないだろう。