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アマゾンが格安スマホ事業への参入検討!? そのねらいとは

米ブルームバーグ通信などは2023年6月、米アマゾン(Amazon.com)が米国で格安スマートフォン事業者として、携帯通信サービスへの参入を検討中だと報じた。関係者によると、アマゾンは有料プログラム「プライム(Prime)」の会員向けに提供する全米規模の携帯電話サービスについて、大手通信事業者と協議している。自社で回線を持たず、大手から借りてサービスを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)として市場参入したい考えだという。

米携帯通信3強+1社と交渉中 Prime会員に提供へ

 アマゾンが検討しているという格安スマホ事業の通信料金は月10ドル(約1400円)。無料になる可能性もあると関係者は話している。通信量無制限プランで月額利用料が約60ドル(約8400円)から、といった通信大手に比べて格段に安い。ロイター通信によれば、携帯電話サービスの料金が高い米国で、大手の料金を大幅に下回るサービスを提供すれば、業界に大きな混乱が生じるとアナリストは話している。

 アマゾンは現在、ベライゾン・ワイヤレス、AT&Tモビリティー、TモバイルUS、の米携帯通信3強に加え、米新興通信事業者ディッシュ・ネットワークと交渉しており、回線利用料を可能な限り低く抑えようとしている。アマゾンがサービスを立ち上げるまでにはあと数カ月かかる可能性があるが、計画が中止になる場合もあるという。

プライム会員拡大に多額投資

プライムのメリットについて説明する米アマゾンの公式ブログ記事(出所:米Amazon.com)

 米調査会社のCIRPによると、プライムの米国会員数は23年3月時点で約1億6700万人。だが会員数は近年、伸び悩んでいる。物価の急激な上昇を背景に、消費者は買い物を控えるようになっており、プライムの費用対効果が低下しているとCIRPは指摘している。

 こうしたなか、アマゾンはこれまでプライム会員を増やすために、さまざまな特典を追加してきた。会員数を増やせるのであれば、数十億ドル(数千億円)をかけてもかまわないというのが同社の考え方だという。これまでは物流分野やドラマ制作などでこうした費用を投じてきた。携帯電話サービスが競合の米ウォルマートに対して優位になるのであれば、今度は

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