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「生鮮ドラッグは邪道、SMが攻勢に出る」

生鮮ドラッグが日本全国に増殖中だ。食品スーパーよりも商圏の狭いドラッグストア(DgS)は、より消費者の近くに出店して優位性を獲得している。地方などでは生鮮ドラッグに包み込まれて、少しずつ疲弊しているSMも少なくない。

 

そうしたなかで、「生鮮ドラッグは邪道、うまくいかない」と断言するのはバローホールディングスの田代正美社長だ。鮮度に対する絶対的な感覚がSMとは大きく異なるのがその根拠だ。海外で超ロングライフのサンドイッチを見て、SM側の人間だと「売れるはずがない」となるのに対し、DgS側の視点だと「これは便利だ、開発してみよう」となるのだという実例を交えて語ってくれた。

 

田代社長は続ける。「弱いSMの近くなら成立するかもしれないが、それもより強いSMへと切り替わっていく。コンビニエンスストアにおにぎり市場をとられたSMは、いま総菜を強化して取り戻している。ドラッグに対しても、当社に限らずSMが攻勢に出てくるだろう」

 

ここでポイントになるのは、相手の土俵に乗って、価格一辺倒の競争に終始しないことだ。バローのSMもその反省を生かし、現在は、生鮮4品を圧倒的に強化し、そこで差別化する戦略をとり、業績を回復させている。バローの生鮮4品の構成比は、全店計で35%程度にとどまるが、改装した店舗はそれよりも2~3ポイント程度高く、とくに成功している店では45%程度に達している。生鮮強化により、競争が激化しても、商圏が広がり続けるタチヤモデルを参考にした新しい売場を、バローのSMに導入。自信を取り戻したバロー、その反転攻勢が始まっている(A)。