大塚家具(東京都/大塚久美子社長)は、8月7日、2018年12月期(通期)の「業歴予想の修正」を公表した。
売上高376億3400万円(前回予想から17.6%減)、営業赤字51億円、経常赤字52億円、当期純損失34億2600万円にそれぞれ下方修正している。赤字は3期連続の見通しになる。
大塚久美子社長の経歴は輝かしい。
1991年に一橋大学経済学部を卒業すると、富士銀行(現:みずほ銀行)に入行。退行後に一旦、大塚家具に入社するも退社。コンサルティング会社を興し代表に就くなどのキャリアを重ねてきた。
2009年に大塚家具の社長に就任。2014年に父娘による騒動が表面化し、社長を解任されるが、翌15年の社長と営業本部長に復帰。メディアへの露出を高め、その容姿もあって人気を集めた。
経営的には、会員制による高級家具の販売路線を転換し、誰でも気軽に入りやすい店舗に変えるとともに、セールを打つなどの策を施した。
しかしながら、結果は出なかった。
経営路線の変更が、古くからの同社の富裕層のファン離れを促す結果になったという見方が支配的だ。
さて、この失敗を目の当たりにするにつけ、思い起こされるのが、今日の一言。エコス(東京都/平邦雄社長)の平富郎会長の言葉だ。
「経営のノウハウは、誰にも教えることができない。経営は、頭の良し悪しも関係ない。関係があるなら東大卒はみんな億万長者になれる。経営とは1人で学び、1人で戦わなければならない、孤独なものなのだ」。(C)