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「ひとえに私の力不足だった」

 2017年8月にコスモス薬品(福岡県)の社長に就任した柴田太前社長(46)は、この5月末日で社長を退任。6月からは取締役経営企画部長に復帰し、7月18日に開かれた決算説明会に臨席。社長降板の理由を問われて答えた。

 

 「社長就任前、就任中、降板後も広報部門と管理部門を担当してきた。しかしながら、営業部門も含めて全社を引っ張るだけの力がなかったと判断した」という。

 

 実際、2018年5月期第3四半期の決算では、売上高は4108億円(対前期比10.8%増)と力強く伸びたものの、営業利益は158億円(同9.2%減)、経常利益は177億円(同7.6%減)と苦戦を強いられていた。

 

 その考えを宇野晃会長に上申したころ、退任を認められたという。

 

 後任の横山英昭新社長は、柴田前社長よりもさらに9歳若い37歳。店舗運営部長と営業本部長のキャリアを活かし、コスモス薬品を牽引していく。
「宇野会長が築いてきたコスモス薬品という舟を沈ませないようにすることが私の使命。未来永劫存続できるような企業にしていきたい」と抱負を語っている。

 

 コスモス薬品の2018年5月期の売上高は5579億9900万円(対前期比11.0%増)、営業利益227億4900万円(同2.3%増)、経常利益252億5500万円(同2.7%増)、当期純利益176億3300万円(同3.2%減)の27期連続増収、11期連続で過去最高となる営業利益・経常利益を確保した。
 「第4四半期の3ヶ月間で業績を挽回することができた」と横山社長は胸を張る。

 

 「やってみてダメなら撤退する」という修正のスピードと次々と現れる若い力に同社の本当の強みを見るような気がする。(C)