2018年6月27日。
ホームセンター最大手企業のカインズ(埼玉県/土屋裕雅社長)とベイシア(群馬県/橋本浩英社長)は、グループ初のコンセプト共通型商業施設「くみまちモールこじまた」を開業した。
前日には記者会見があり、そこでふるまわれた「自家製梅スカッシュ」(M290円、L350円)を土屋社長が飲み発した一言だ。
土屋社長は会見の冒頭、記者たちに、このソーダの由来と飲みながら自分の話を聞いてほしいと語りかけ、会社の沿革や現状などをおおまかに説明。空いた一瞬に「自家製梅スカッシュ」を口に含むと、聞こえるか聞こえないかの小声で「おいしい」とつぶやき、また何もなかったかのように説明を続けた。
「自家製梅スカッシュ」は、群馬県産の梅を使用したのが特徴で、飲めるのは、カインズが直営するインストアカフェの「カフェブリッコくみまちモールこじまた店」のみ。「カフェブリッコ」の1号店は、2013年11月に開業した「千葉ニュータウン店」内にオープンした店舗で「カインズくみまちモールこじまた店」は30店舗めに当たる。
さて、この短い一言を取り上げたのは、自社の商品を何のケレン味もなく、「おいしい」と言ったことに驚いたからだ。ふつうは、そう感じていても躊躇してしまいなかなか言えないものだ。ウソがまったくないように見えたのが新鮮だった。
たぶん反射的に出た一言なのだろう。
でも、これを意図して行っていたとしたら、さらに凄い。サブリミナル(刷り込み)効果も期待していたりして・・・。
まあ、それはないだろうが、思ったことをちゃんと素直に伝えることができる自然体に、経営者としての誠実さと強さを垣間見た。 (C)