別れ話もAIで完了!? 人工知能とAIは社会と小売をどう変えるか

坂口 孝則(未来調達研究所)
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「AI電話代行」の驚くべき進化

 「別れ話はAIで」

 先日、生成AI開発企業が発表した電話代行サービスが話題になった。以前からサービス自体は存在したが精度が向上したという。デモとして実演された内容が傑作だった。ボーイフレンドに別れを切り出す電話をAIが代行するというのである。別れたい理由を述べて「理解してほしい」と説明、さらには「あなたはすばらしい人だから、そのことは忘れないで」とフォローまでする。

 別れ話ができるのだから、退職代行もAI電話代行に置き換わっていくはずだ。筆者もこのサービスを使って早速自分宛てに電話させてみたのだが、それなりに使えそうな印象だ。数年も経たないうちに、おそらく人間と見分けがつかないほどに精度は向上していくだろう。

VR中の女性
写真はイメージ(RyanKing999/iStock)

 こうしたAIの進化は、小売に与える影響も多分にある。数年前にあるメディアから「株価情報の記事のほとんどはAIが書いていますよ」と聞いて驚いたものだが、もはやそんなレベルではない。商品のキャッチフレーズや説明文などはすでに相当数をAIが担っている。またウェブサイトでの商品紹介の動画などのクリエイティブの多くにもAIが活用されている。

 AIの利活用自体は、大手に優位性があるわけではないのも特筆すべき点だ。活用の手法さえ理解していれば、小規模の小売業者でも高いレベルでAIの恩恵にあずかることができる。その意味では“テクノロジーの民主化”がAIによってなされたとも言えるだろう。

マーケティングの業務も一変

 AIはマーケティング業務も大きく変えることになる。たとえば大規模な人員を抱えなくても、AIを活用して効率的にテレアポができるだろう(もちろん、AIだからと集中投下してはブランドの評価を毀損することにはなるだろうが)。

 また以前に、

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