リアル店舗で始まるテレビ番組データによる流通革命!~エム・データのDX戦略~

松岡 由希子
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リアル店舗で活用!
AI企業との連携も

 エム・データでは、エンタープライズAI(人工知能)企業と提携し、「TVメタデータ」を用いた小売企業向け需要予測モデルの構築を進めている。小売企業のPOSデータと「TVメタデータ」を連携させることで、商品の需要や売上を精緻に予測するというものだ。すでに同様のコンセプトのもとで「TVメタデータ」を用いた株価予測モデルの検証として、テレビ露出量をもとに上場企業の株価変動を精度高く予測する研究を進めている。この仕組みを食品小売の需要予測やフードロスの予測などにも応用していきたい考えだ。

ほぼリアルタイムで提供されるTVメタデータ
ほぼリアルタイムで提供されるTVメタデータを効果的に活用して、将来のトレンドを先取りすることが競争優位を高めることにつながる

 さらに「TVメタデータ」を小売企業のPOSデータと連携させるためには商品マスタの整備が不可欠となる。エム・データでは人的対応と併行し、AIを活用した商品マスタの正規化や名寄せにも着手した。西尾氏は、小売企業向け需要予測モデルの構築に向けた今後の課題として「小売企業と密接に提携し、商品マスタと『TVメタデータ』との紐付けにも取り組んでいきたい」と語る。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)の本質は、データを基軸に据えて経営の意思決定を行う「データドリブン経営」へと変革させることだ。自社が保有するデータのみならず第三者のデータも効果的に活用して未来を予測し、将来のトレンドを先取りすることが、競争優位を高めることにつながる。

 テレビは、世の中の話題やトレンドを現出させ、消費者に広く伝える媒体である。「TVメタデータ」は、これをほぼリアルタイムでつぶさに記録し、粒度の細かいデータを規則的にデータベース化しているのが特徴だ。とりわけ、時世やトレンドが顕著に現れる食品小売にとって、「TVメタデータ」は世の中のトレンドにキャッチアップする手段のひとつとなりうる。西尾氏は「集客や販売促進、仕入れの調整(高速化、欠品防止)など、様々な用途で、『TVメタデータ』という“素材”をまずは使ってみて欲しい」と説いている。

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