血液チェックからピロリ菌検査まで 薬王堂が健康管理アプリ「KOMPASU」をリリースした狙いとは

ダイヤモンド・ドラッグストア編集部
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早期に3万ダウンロード達成めざす

薬王堂ホールディングス経営戦略部長の西郷孝一氏

 今回の「KOMPASU」アプリのように、DgS企業が健康管理アプリを独自開発するのはめずらしいケースだ。「KOMPASU」アプリの開発を主導した薬王堂ホールディングス経営戦略部長の西郷孝一氏は次のように話す。「以前当社が行っていたセルフ健康チェックサービスは、店頭に専用の装置を置くなどコスト面で課題があった。より簡単に、より気軽に健康チェックができるようにするには、アプリ化が必須だった」(西郷氏)。

 「KOMPASU」アプリの開発で苦労したのは、高い測定精度を実現することだ。利用者は自ら、自身の血液や唾液などを検査キットの試薬と反応させる。変化した試薬の色をスマホカメラで読み込むと自動で測定されるが、お客のスマホの機種やカメラで読み込む際の環境(角度、距離、明るさなど)はバラバラだ。

 「条件がお客さまによって異なるので、さまざまなパターンを試した。AI(人工知能)が高い精度で試薬部分を自動検知するようになるまでかなり時間がかかった。試薬の色はボディの色を基準に自動補正することで高い測定精度を実現できた」(西郷氏)。

 測定結果の表示方法にも工夫を凝らした。測定結果を表示する画面にはピクトグラムを採用し、視覚的でわかりやすく把握できるようにしたという。

 薬王堂は今後、検査項目を増やすなど「KOMPASU」アプリの機能拡充を進め、早期に3万ダウンロード達成をめざす。「健康チェックデータがある程度蓄積されれば、分析によってさまざまな知見が得られると考えている。一般消費財メーカーや医療機関、行政などに有償で提供し、個人の健康ニーズや健康状態に即したサービス、商品開発などに広く活用してもらいたい」と西郷氏は話している。

 なお、薬王堂は「KOMPASU」リリースと同時に「薬王堂公式アプリ」もリニューアル。歩数計や肌診断機能を中心に機能を追加している。

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