最終回:DXの成功条件とは

解説:ロケスタ代表:長谷川秀樹
文:高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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ぼったくりの保守・運用費

 DXの“聖域”として残されがちなのがシステムの保守・運用費です。経費節減を進める中でも、「何かあったときに大変だから」という理由で削れない企業が多くあります。

 しかし、この保守・運用費はベンダーが儲けているだけで、ユーザーの役に立っていないことがほとんどです。勇気を出して、保守・運用は継続的に支払うのではなく、何か問題があったときに対応してもらう「スポット保守」に変更するのがオススメです。これに切り替えるだけで保守・運用費を大幅に低減させることができます。

 スポット保守に切り替えると「対応が遅れてしまう」とベンダーは言いますが、それは嘘です。ベンダー側は、保守専門で24時間監視し続けている人員を抱えているわけでなく、そのほかの業務を兼任しながら何かあったときに駆けつけるというのがほとんどです。

 情報システム部長がスポット保守に切り替えるという判断はなかなかできません。スポット保守に切り替えてコストカットしても評価されるわけでもなく、何かあったときに責任をとらされるリスクだけが残るからです。

 DXを進める経営者は、情報システム部とベンダーの“一蓮托生”の癒着を断たなければなりません。

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月より現職。

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