ネットスーパーニーズが急激に高まる中、ROMS(東京都/前野洋介社長)が開発した「MOPU(MY/MOBILE/MULTIORDER PICK UP)」と呼ばれる、超小型の自動型店舗、ロボット自動倉庫に注目が集まっている。ナノフルフィルメントセンター(NFC)として、食品小売のネットスーパービジネスを大きく変えそうだ。
業界関係者が“吾妻橋詣で”する理由
東京・墨田区の吾妻橋にあるコンビニエンスストア。ここにMOPUのモデル店舗が併設されている。密かに吾妻橋詣でを重ねる流通業界関係者は少なくない。実物を見て、触って、購入体験をして、すぐに問い合わせを入れてくる事業者もあるほどだ。
このMOPUは無人コンビニを意識して開発されたもので、オーダー用のタッチパネルのあるKiosk端末が顧客とのインターフェースとなり、裏側ではロボット自動倉庫が稼働。ロボットアームが約450SKUの商品の中からピッキングを行い、オーダーごとにコンテナに保管し、商品の取り出し口まで移動する仕組みになっている。
自動倉庫のスペースは約10坪、20度と5度温度帯の保管スペースを備えている。
現在、MOPUでは、その場で商品を選んで購入する自動販売機的な使い方と、スマホから事前に注文し来店して商品を受け取るBOPIS(Buy OnlinePick up in Store)の2種類の買い物方法に対応する。その場で購入する場合は、注文から商品受け取りまで3商品で約60秒~90秒かかるが、BOPISなら最短今すぐから50分後まで受け取り時間を指定することが能で、約10秒程度で商品受け取りことができる。
「今はまだ、どんなオーダーが入るのか、データの蓄積が少ないが、今後、利用者が増えていけば、売れ筋や時間帯、曜日ごとの変化などをAIが調整し、最適化されたコンテナ配置が可能になる。そうなれば、スピードも精度も、格段にアップする」と、ROMS経営管理部長の沖山智彦氏は説明する。
わずか10坪のロボット自動倉庫
MOPUが注目される背景には、10坪という省スペースで、24時間ロボットアームが不満を漏らすことなくピッキングを続けてくれるという点がある。
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