業務改革は“ガラス張り化”から始める
現在の私たちの仕事を見直してみると、思っている以上に属人的な部分が多いことに気が付きます。もちろん今も企業にはルールがあります。人事規定、経理規定、稟議規定などのルールです。しかし、それらの規定は「やってはいけないこと」を示したルールが多く、意思決定は人間が担当し、ルーティンワークといわれる業務でさえ人間の判断で進んでいるのです。業務改革を進めるにあたっては、現在の仕事を“ガラス張り化”するために業務フロー図に表現していくことが有効です。
描き方について詳しくご説明しましょう。業務をガラス張りにするための業務フロー図とは、横軸に「部署・担当」を置き、縦軸に「時系列」を置いて、業務の流れを表した図のことです(図)。
業務フロー図を描くポイントは、業務だけでなく人の意思決定を表現することと、システムを1つの部署として考えることです。業務フロー図を描き進めていくと、複数の部署で重複する仕事、それとは逆に部署間で責任の所在が不明確である仕事が多いことに気が付いたり、情報がうまく流れていないために何度も同じ説明をしていたり、ルーティンワークといわれている仕事でも人によってやり方が違ったりといったことがわかってきます。
さらに業務フロー図がある程度出来上がった時点で全体を見てみると、自分の部署のことはもちろん理解していても、他部署が実際にどういう業務を担っているかをほとんど知らなかったことに気付かされるでしょう。
「課題管理表」をつくり課題を明確にする
業務フロー図を描き、“全社視点”で現状の業務を理解したら、次は
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