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ビッグウェーブに乗り遅れるな! これからのEコマース、ネットスーパー

株式会社イー・ロジット代表取締役 兼 チーフコンサルタント 角井亮一氏業態により明暗別れる

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、わが国では今年4月、全国に緊急事態宣言が出された。業界によって異なるだろうが、ピンチと感じた人がいる一方、チャンスと捉えた方もいたのではないか。

 確実に言えるのは、ビジネスの経営環境は大きく変化しており、対応できない企業はいなくなり、反対に対応できたところは生き残るということだ。

 さて4月以降、販売実績は業態によって明暗が分かれた。食品スーパー(SM)は家で料理をする人が増え大きく伸びた。総合スーパーは衣料をはじめ非食品が動かず大半の企業が振るわなかった。衛生用品を扱うドラッグストアは大幅増、専門店は低迷するという結果だった。

 おもな業種の推移を見ると、コンテンツ配信、eコマース、衣料品・化粧品は好調、
電気・ガス・水道は堅調だった。反面、外食、鉄道・航空、旅行は大きく落ち込み、今も前年実績をクリアできないままでいる。

 今後、ビジネスを取り巻く環境はどうなってしまうのか。ローソンの竹増貞信社長は「(先行指標となる中国では)コロナ以前からデリバリーのニーズが高かったが、今はさらに高まっている。これは想像以上で、これからもデリバリーのニーズは落ちない」と話している。

 また「これからアフターコロナの時代になったとしても、社員全員が満員電車に乗って出社するという働き方には戻らないでしょう」とも語る。小売業にとっては、オフィス街に立地する店舗は今後も厳しいということを示している。

 このように取り巻く状況、消費者の購買行動は以前と大きく様変わりしている。これをフォローウィンドウだと捉えるべきだ。行動を起こし、適切な帆を張ることができれば前に進むことができるはずである。

消費者の購買行動、また流通も変化

 コロナショックで伸びた業種は前述の通りだが、ここではそのうちのeコマースについて詳しく触れてみる。

 6月前半の実績を見ると、4月以降好調だった家電はまだ伸びている。食品、グロサリーも対前年同期比1.5倍と依然として好調、また衣料やアパレルも伸長傾向にある。アパレルは全体のマーケット自体は縮小しているものの、eコマースの割合は増えている。つまりこれまでとは違うところで購入していることがわかる。

 一方、eコマース以外に目を向けたい。興味深い企業として注目しているのは「Pick Go(ピックゴー)」である。トラックのマッチングを手掛け、登録ドライバーは現在、1万5000人。同社でユニークなのは買い物代行サービス。スマートフォンのアプリ等で指定すれば、ドライバーが欲しい商品を買って家まで届けてくれるというものだ。店舗は3店まで指定でき、大きく、また重い商品を運んでもらえるとあり利用者が伸びている。

 今、紹介したように消費者のニーズ、購買行動、さらに流通も変わりつつある。それに伴い、小売業者も変化する必要がある。

 具体的にはeコマースを含め、デジタルの手法を使って消費者にとって便利なサービスを提供することが重要だ。しかしすぐに、そういったデジタルトランスフォーメーションを実践することは難しい。最初から自前で人材を育成、仕組みを構築するのは時間がかかるためだ。

 そのような場合は、外部のサービスを活用するのがいいだろう。段階を追って、人材も育成していくという流れで問題ない。

 繰り返しになるが、今、大きなチャンスがやってきている。小売業者はビッグウェーブととらえ、行動すべきだと思う。

各プログラムの詳細

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