【小売業・特別対談】
「顧客時代」におけるデータ活用戦略の未来
オークワブランド価値向上で顧客満足度を最大化

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デジタル投資でブランド価値向上を図る

小林 トレジャーデータが提供しているCDP「Treasure Data CDP」についてですが、
どのように思われますか。

産地・素材・製法にこだわり抜いたブランド・オークワプレミアム
産地・素材・製法にこだわり抜いたブランド・オークワプレミアム

大西 MA(マーケティング・オートメーション)に使えるという特徴があると思っています。値引きクーポンの発行だけでなく、もう1品追加で購入していただくための施策や、商品の付加価値をお客様にお伝えするような仕組みを構築することができれば、企業価値の向上に役立てられると思います。
 今後の小売業界では、単純な安売り競争で生き残っていくことは難しいでしょう。企業や商品のブランドを確立し、「オークワでしか買えないもの」を作っていく。「オークワブランド」力の向上が求められています。
Treasure Data CDPの事例記事などを読むと、ブランド価値を向上させるためにCDPを導入し活用されている企業も多く、共感できますね。企業価値を向上するための一翼を担っていけるようであれば、当社にとっても使い勝手がよいと思います。

小林 値引きだけが販促ではないですよね。お客様自身が気づいていない潜在的なニーズを汲み取って商品を提案していくこともお客様の満足度向上につながります。そのためにはデータを分析、活用して、お客様をしっかり理解して、お客様の半歩くらい先を見ていく必要があると考えます。まさにトレジャーデータがCDPで、様々な企業様をサポートさせていただいているところです。

大西 ブランドが確立されれば収益は安定しますし、AIでコストを削減すれば生産性は向上する。企業の成長には、ブランディングと経費削減の両輪が必要だと考えています。当社の情報管理部も、その両方に役立てるデジタル投資、データ分析を目指していきたいです。

小林 多くの企業では、システム部門は基幹システムの保守メンテナンスが主な仕事で「守り」の印象がありますが、お話をお伺いしていますと、オークワ様の情報管理部は部署をまたいだ提案を積極的に行うなど「攻め」のイメージがありますね。

大西 オークワの信条は、「より良いものをより安く、高品質のものをお手頃価格でお客様に提供する」ことです。それはシステム投資でも同じだと思います。今流行っているAIなどを導入するのは簡単です。でも、それは本当に現場で役に立つのか。システム投資では、きちんと精査して、システムの品質を保ちながら構築を進めていきたいです。

小林 大西さんのような考えをお持ちのシステム部門の方が増えると、小売業界や世の中全体のデジタル化も、もっと加速していくと感じます。

大西 DXという言葉が流行っていますが、どのように会社の利益やお客様の利便性につながるのかというと、まだ不明な点が多いと思います。そこが明確になると、DXで小売業界はかなり速いスピードで変わっていくはずです。

小林 小売業の経営者の方は特に、日々のPL(損益計算書)を意識されていますから、投資がPLにどう反映されるのかという点で判断されることが多いですよね。

大西 そういう傾向は強いでしょうね。

小林 私たちトレジャーデータも、CDPを活用いただく企業のさらに先にいる生活者に、どんな付加価値を提供できるかを常に考えていきたいと思います。この度は貴重なお話をありがとうございました。

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