米アルファベット、グーグル広告収入が安定化 時間外で株価上昇

ロイター
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米グーグルの持ち株会社アルファベットが28日発表した第1・四半期決算は、売上高がアナリスト予想を上回った。パリで昨年5月撮影(2020年 ロイター/Charles Platiau)

[28日 ロイター] – 米検索大手グーグルの持ち株会社アルファベットは28日、3月下旬に落ち込んだグーグルの広告収入が4月に安定化したと明らかにした。新型コロナウイルス関連情報の検索に加え、買い物を目的としたグーグルの利用も幾分回復したという。

これを受け、同社株は引け後の時間外取引で8%急伸。株価は1329.81ドルと年初の水準をほぼ回復した。

一部のアナリストは、新型コロナの感染拡大によりホテルや航空会社、映画スタジオなど主要広告主が広告費を削減していることから、今後数四半期に広告収入が最大20%減少すると予想していた。

しかしアルファベットは、検索向け広告事業の収入は3月下旬に前年と比べ10%台半ばの落ち込みを記録した後、4月には悪化していないとした。

ただ、ポラット最高財務責任者(CFO)は4月上旬のトレンドは持続しない可能性があるとし、「第2・四半期は厳しいだろう」と警告した。

アルファベットが同日発表した第1・四半期決算は、売上高がアナリスト予想を上回った。新型コロナウイルス感染拡大の中、グーグル部門の広告が2桁の伸びを記録した。

アルファベット全体の売上高は前年比13%増の412億ドル。リフィニティブのアナリスト予想平均(10.87%増の402億9000万ドル)を上回った。アナリストは2015年第2・四半期(11.1%増)以来の低い伸びを予想していた。

利益は68億ドル(1株当たり9.87ドル)。アナリスト予想平均の72億1000万ドル(同10.40ドル)は下回った。

グーグルの広告販売は約10%増の338億ドルに伸びた。このうち約73%は検索事業、12%は動画配信サービス「ユーチューブ」が占めた。

アトランティック・エクイティーズのアナリスト、ジェームズ・コードウェル氏は、ユーチューブが予想外に伸び、新型コロナによるロックダウン(都市封鎖)で広告予算に影響があったものの、成長は加速したと述べた。

ユーチューブの売上高は33.5%増加し、前期と比べ伸びがやや加速した。ただポラットCFOは、直ちに消費を喚起する可能性が低い広告の収入は3月下旬までに伸びが「1桁台後半」に鈍化し、4月も引き続き減速していると述べた。

ユーチューブの有料会員数は公表しなかった。前期時点では2000万人だった。

クラウド事業の売上高は52%増の28億ドル。総費用は約12%増の332億ドルだった。過去数四半期の総費用は約20%増加していた。ポラットCFOは第1・四半期の費用には新型コロナの影響で支払いができない顧客に関連し積み増した引当金が含まれると説明した。

同社の決算発表を受け、広告事業で競合するフェイスブックの株価も時間外で3%上昇。マイクロソフトは1.2%、アップルは0.6%、アマゾン・ドット・コムは1.25%、それぞれ上昇した。

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