顧客体験向上のツールとして注目を集めるスマートフォンアプリ
小売業を取り巻く環境が厳しさを増すなか、競合との差別化要因として重要になるのが「顧客体験」である。店舗でもEC(ネット通販)でも、優れた顧客体験を提供することで、顧客からの支持を集め「ファン」になってもらうことが大切になっている。
店舗では接客をはじめとして買物の楽しさを演出し、ECならば商品の検索から購入までストレスなくスムーズに完結するサービス構築を目指すなど、顧客の期待に応じて、それぞれの目指す方向性は異なる。ただ、ブランドとして質の高い顧客体験を実現したいのであれば、複数のチャネルを連携させ、最適なコミュニケーションを実現するオムニチャネルの取り組みが重要となるだろう。そこで注目されているのがスマートフォンアプリだ。
オムニチャネル戦略のハブとしてアプリが期待されるのには理由がある。ウェブサイトと比較して、月間の滞在時間は20倍、コンバージョン率は2.3倍、使用金額も2.7倍と、アプリが絶大な効果を示すという調査結果があるのだ(AppsFlyer調べ・Criteo「グローバルコマース調査レポート」)。
店頭のバーコードやQRコードを読み取り、ECサイトへ送客。プッシュ通知でクーポンを送付し、店舗へ集客。このように、アプリを起点とすることで、オンラインとオフラインの垣根を越えたコミュニケーションが実現できる。顧客体験を重視するブランドにとって、アプリへの投資はもはや必要不可欠と言えそうだ。
アルペン、SHIBUYA109、いなげやもアプリを活用
つぎに、アプリを活用した具体的な事例を三つ紹介する。
総合型のスポーツショップやアウトドア専門店を展開するアルペングループは、ECが台頭するなか、店舗のアドバンテージを生かしつつ、顧客ロイヤリティを向上させるためにアプリを導入した。狙いはオフラインとオンラインの壁をなくすことだ。顧客に対し、明確なインセンティブを提示することで、アプリをダウンロードしたユーザーの約半数に、継続利用してもらうことを実現。アプリからECサイトへの送客も想定以上に進んでいるという。
若者向けファッションの店舗が集積するSHIBUYA109でもアプリを活用している。運営するSHIBUYA109エンターテイメントは「デジタルとリアルのハイブリッド化」を掲げ、その具現化に向けてアプリの開発を決めた。実際に導入してみると、アプリの活用に積極的なテナントも多く、キャンペーンを通じダウンロードも順調に伸びた。店舗の売上増加に寄与することに加え、ECではアプリ経由の購入率がモバイルサイト経由に比べ2~3倍に向上したという。
食品スーパーのいなげやは、ポイントカードの利便性を上げるためにアプリを導入した事例だ。ポイント付与によって顧客の囲い込みができるポイントカードは、物理的に持ち歩く必要がある。それをアプリに代替することで、ユーザーは財布から1枚ポイントカードを減らすことができる。もちろん、アプリのメリットはそれにとどまらない。顧客との新たなタッチポイントができたことで、メルマガの代替としてプッシュ通知でコミュニケーションを取ることが可能になった。今後も順次、機能を強化していく考えだという。
これら三つの事例で、アプリ導入のために選ばれたのがアプリ開発クラウド「Yappli」だ。Yappliは、プログラミング不要で、アプリの開発、運用、分析をワンストップで提供するプラットフォーム。小売業を中心に、400以上の開発実績がある。下記の事例レポートでは、アプリの導入背景や、Yappliを選んだ理由、ここでは紹介しきれなかったアプリ活用法についても触れているので、是非とも確認いただきたい。
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