ウォルマート、オンライン受注商品のピッキングに自律走行ロボットを活用

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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ウォルマート、オンライン受注商品のピッキングに自律走行ロボットを活用
スタートアップ企業がウォルマート向けに開発した「アルファボット」を試験運用している

 米ウォルマートはオンラインで受注した商品のピッキングに自律走行するロボットの活用を進めている。店舗起点型のネットスーパーサービス「オンライン・グロサリーピックアップ」(店頭または駐車場で商品を受け渡し)と「オンライン・グロサリーデリバリー」(顧客の自宅まで配送)のピッキング作業を大幅に効率化することを目指している。

 このロボットは、スタートアップ企業のアラートイノベーション(Alert Innovation、マサチューセッツ州)がウォルマート向けに開発した「アルファボット(Alphabot)」で、ニューハンプシャー州セーラムにあるスーパーセンターに隣接する専用倉庫内で稼働している。

 ウォルマートは2018年夏にセーラムのスーパーセンターを増床し、ネットスーパー専用の約1860平方メートルの倉庫を開設した。アルファボットは倉庫内の棚から受注商品を回収し、従業員がいるワークステーションまで運ぶ。従業員は商品受け渡し用のコンテナ(荷箱)や買い物袋に商品を手作業で詰め替える。

 ネットスーパーの受注商品は通常、従業員が売り場を回って、陳列棚からピッキングしている。セーラムの専用倉庫では従業員が移動する必要はなく、ピッキング作業の高速化と効率化を可能にしている。生鮮食品だけは従来通り、従業員が売り場からピッキングする。

 専用倉庫内の棚はレールと一体化しており、このレール上をアルファボットは水平方向にも垂直方向にも移動できる。レールのない場所ではタイヤで自律走行する。

 ウォルマートでは蓄積した受注データを分析することで、倉庫内での商品の保管場所を最適化したり、顧客に対して買い合わせ商品の推奨を行ったりしていく予定。アルファボットは19年半ばから試験運用しているが、従業員や顧客からのフィードバックを検証しながら、他店にも展開していく計画だ。

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