新聞配達網など使ってお客宅へ配送 ユニークすぎる薬王堂のネットドラッグストアとは
ドラッグストア(DgS)大手の薬王堂(岩手県/西郷辰弘社長)が展開する「ネットドラッグストア」がじわりと拡大している。コロナ禍で食品スーパー(SM)企業によるネットスーパーが急拡大したなか、ネットドラッグストアはどうシェアを拡大しようとしているのか。ネットドラッグストアのビジネスモデルについて、担当役員を取材した。
10Xとタッグを組み2021年3月に開始
岩手県と宮城県を中心に東北6県でDgS381店舗(2023年2月末時点)を展開する薬王堂は、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス:サービスとしてのソフトウェア)型小売チェーン向けECプラットフォーム「Stailer」(ステイラー)を展開する10X(テンエックス:東京都/矢本真丈社長)との提携のもと、BOPIS(Buy Online Pick-upIn Store:店舗受け取り)型ECサービス「P!ck and」(ピックアンド)を21年3月から運営している。


「P!ck and」は、コロナ禍の非接触での買物や買物時間の短縮へのニーズの高まりを受けて開発された。薬王堂は20年5月に社内プロジェクトを立ち上げ、協業パートナーとして10Xを選定。その理由について、取締役執行役員管理本部長兼DX戦略部長の西郷泰広氏は「10Xは初期投資が不要なうえ、ユーザー向けスマホアプリのみならず、ピッキングや梱包など、店舗のオペレーションを効率化するソリューションの開発でも十分な実績とノウハウがあった」と振り返る。
「P!ck and」は、専用スマホアプリを使って店舗を選び、約2万品目の品揃えから商品を注文して受け取り方法を指定すると、最短1時間で商品を受け取れる仕組みだ。店内のレジで受け取る「レジ受け取り」と店舗の駐車場で車に乗ったまま受け取る「車上(ドライブスルー)受け取り」に全店舗で対応するほか、21年10月には「薬王堂岩手矢巾店」(岩手県紫波郡)において初めて専用ロッカーを設置。ユーザーがニーズや都合に合わせて最適な受け取り方法を選べるようにサービスを多様化させている。同社によれば、「レジ受け取り」と「車上受け取り」の比率は5.5対4.5で、「レジ受け取り」のほうがやや多いという。
外部パートナーと連携し、ラストワンマイル配送も!
さらに22年2月には、
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