マルチ決済端末が改正割販法を背景に導入拡大(アイティフォー)=リテールテック2019レポート

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 昨年のリテールテックJAPAN2018では各ブースでIoTやAI活用のソリューションが目立った。今年、リテールテックJAPAN2019の会場内は、いたるところでQRコード決済のPayサービスに関するプレゼンテーションや、クレジットカードから電子マネー、そして各種のPayサービスの決済に対応したマルチ決済端末の展示が目立った。

 アイティーフォーも、「iRITSpay」を使った決済ソリューションをアピールし、多くの来場者が説明に聞き入っていた。同社がソリューション提供するマルチ決済ターミナル「iRITSpay」はクレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード決済、共通ポイントなどの決済手段に対応。ハードウエア自体はキャッスルテクノロジー製。このためキャッスルテクノロジーのブースでは、同社製のマルチ決済端末を活用するソリューションベンダーが集結し、自社のサービスの売り込みに必死だ。横並びでの説明とはいえ、それだけマルチ決済端末のニーズが大きいという証拠でもある。

 アイティーフォーの説明担当者によれば、「昨年まではインバウンドの各種決済に対応する必要がある、というユーザーが多かったが、今回は昨年改正された割賦販売法が確実に影響している」という。

決済端末のICカード対応

ITFORブースの様子 「iRITSpay」を使ったソリューションでは、カード情報は端末に保持しない、いわゆる「外回り方式」型となっており、導入や運用面でもコスト低減に加えて使いやすさが特徴とか。

 政府はクレジットカードの不正利用防止を目的に、2020年までにクレジットカードのICカード化とクレジットカード番号の保護対策としてセキュリティ基準のPCIDSS準拠を義務づけた。そのため決済端末のICカード対応を早急に進める必要がある。加えて日本で普及している電子マネーへの対応やQRコード決済に対応する必要も高まっている。

 小売店にとってはいちいち各種の決済に対応する端末を用意しておくのはスペース的にも、管理面でも煩雑。そのためマルチ決済端末はどうしても必要なツールなのだ。

マルチ決済への対応

マルチ決済への対応イメージ 小売業者が注目するだけではない、銀行からの注目も高い。「とくに地方銀行では取引のある中小小売店でも、改正割販法に沿ってマルチ決済への対応を進めたい。零細な中小小売店ではそうした投資はなるべく避けたいので、地銀がマルチ決済端末を導入して取引関係のある中小小売店に配っている」ということも起きているという。

 取引関係の維持や囲い込み、消費者保護のためには地銀も各種決済への対応を傍観しているわけにはいかないというわけだ。

 

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