米シスコ、業績見通しが予想下回る 関税や中国販売不振で

ロイター
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8月14日、米ネットワーク機器大手シスコシステムズは、米政府が近く発動する関税や中国での販売不振が事業の重しになっていると明らかにした。写真は2月にバルセロナで撮影(2019年 ロイター/Sergio Perez)

[14日 ロイター] – 米ネットワーク機器大手シスコシステムズは14日、米政府が近く発動する関税や中国での販売不振が事業の重しになっていると明らかにした。また、第1・四半期(8─10月)の業績見通しは市場予想を下回った。

同社幹部は、中国の売上高が25%減少したと明らかにした。中国国有企業がシスコに発注しなくなったという。

チャック・ロビンス最高経営責任者(CEO)は決算会見で「(入札に)参加することさえできなくなった」と述べた。

ケリー・クレイマー最高財務責任者(CFO)はインタビューで、中国企業がシスコ製品の使用をやめ、国内企業からの調達に切り替えていると指摘し、「ある種の国家主義が感じられる」と語った。

8─10月期の売上高は0─2%増加する見通しとした。金額ベースでは130億7000万─133億3000万ドルとなり、IBESのアナリスト予想(134億ドル)を下回った。

調整後1株利益予想は0.80─0.82ドル。アナリスト予想は0.83ドルだった。

株価は引け後の取引で8%下落した。

中国の売上高は大きく減少したが、第4・四半期(7月27日まで)の売上高全体に占める中国の比率は3%未満だった。英国を中心に大企業からの受注が減速したことも業績見通しが市場予想を下回る要因となった。

シスコはまた、近く発動される米国の対中関税で自社製品が対象となり、8─10月期の利益率が圧迫されるとの見方を示した。

トランプ米大統領は今週、9月1日に発動を予定していた10%の追加関税のうち一部の品目への適用を12月に延期した。だがクレイマー氏は、シスコ製品の大半は延期の対象にならず、来月から関税が適用されると明らかにした。

シスコは8─10月期の調整後粗利益率を63─64%と予想した。これは5─7月期の62.9%とほぼ変わらない水準になる。

5─7月期決算は純利益が22億1000万ドル(1株当たり0.51ドル)と前年同期の38億ドル(同0.81ドル)から減少。

一時項目を除く1株利益は0.83ドル。予想は0.82ドルだった。

総売上高は4.5%増の134億3000万ドル。アナリスト予想平均は133億9000万ドルだった。

サイバーセキュリティー事業の売上高は14%増の7億1400万ドルとなったが、市場予想の7億3710万ドルは下回った。

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