QRコードを上回る!?日本の小売業に暗号資産(仮想通貨)が必要なこれだけの理由

野村光(キカクカ)
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海外では、決済やサプライチェーンといった領域でブロックチェーン技術の活用が急速に進んでいる。ブロックチェーン隆盛の波は、日本の小売業にどれほどの変革をもたらすのだろうか。そこには大きな可能性がある一方で、導入に際してさまざまな課題があることもまた事実。本稿では、日本における仮想通貨(暗号資産)決済の導入メリットとデメリットを考察する。

仮想通貨決済のメリットは「速度」「手数料」「インバウンド」

 連載第1回の記事で、米国ではスターバックスやウォルマートといった大手企業が相次いで暗号資産による決済システムを導入していると紹介した。
 最新のニュースでは、米フェイスブックが独自開発の暗号資産「GlobalCoin(グローバルコイン)」を2020年に導入し、決済サービスの展開に乗り出すと報道された。ファッション・コスメなどEC販売が好調の傘下のSNS「Instagram(インスタグラム)」での導入されるとみられている。
そもそも、暗号資産による決済には、どのような魅力があるのだろうか?

決済方法は「QRコード決済」とほぼ同じ

 ビットコインをはじめとする暗号資産の多くは、1円以下〜数百円程度の手数料で、数秒〜数十分程度の送金時間で資金を送金できる(暗号資産の種類による)。手続きに際しては、多くの場合、QRコードの読み取りだけで送受信が可能だ。決済時の使い方としても、現在日本で急速に普及している「QRコード決済」とほぼ同じとなる。
 QRコード決済との大きな違いは「送金速度」と「手数料」だ。
 たとえば、旧来のキャッシュレス決済であるクレジットカードの場合、店舗側が資金を受け取ることができるのは「1カ月後」が基本だ。QRコード決済大手の「PayPay」「楽天ペイ」などは「決済の翌日に入金」となっており、その便利さが各サービスの利用可能店舗の拡大に貢献している。
 一方、暗号資産の場合は「決済から数秒〜数十分以内」に受取手に資金が着金する。その日の売上金をすぐに運用することが可能である点は、とくに小規模な小売店では大きなメリットとなるだろう。

ビットコイン決済
家電量販店大手のビックカメラはビットコインによる決済サービスに早くから対応している

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QRコードより優れている点!

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